5日の初日に通算5アンダーで、単独トップに立った高橋大輝(たかはし・だいき)はこの日、イーブンパーの「70」と伸ばせず、4打差の5位タイで破れた。
6日の最終ラウンドを1差の2位タイから出た安部は、7バーディ・2ボギーの「65」を記録。
「気合いは入っていましたが、今までは気合いと成績が伴わないことも多く、ヘコむことが多かった」という。
しかし、この日は違った。
同組の武内伸悟(たけうち・しんご)や永井哲平(ながい・てっぺい)の好パットや、「ナイスプレー」と、互いに声を掛け合う良い空気にも引っ張られ、「変に自分を追い込みすぎず、熱くなりすぎず、2日間通して自分がやりたいことを落ち着いてできました」。
自身も10メートル超の長いパットを2つも決めるなど、通算9アンダーは2位と3差をつける圧勝に、「今日自分の中で、何かが変わった気がします」と、貴重なV経験を噛みしめる。
安部が予選敗退した昨年大会で、優勝を飾った植木祥多(うえき・しょうた)は、高校の同級生だそうだ。
昨晩、植木から「優勝しろ」と、激励の連絡をもらったといい、「去年はとても悔しかったですが、リベンジができた」と、昨年覇者の応援を背に、後に続くことができた。
昨年のQTは、福島県の五浦庭園カントリークラブで挑戦したファーストステージで、トップ通過しながら次のセカンドステージで敗退していた。
この優勝で、再びセカンドステージからの出場資格を獲得し、「貴重なチャンスをいただけたので。今年はぜひファイナルまで行きたい」と、QTでも雪辱に気合いが入る。
「飛距離には自信があります」という左利きの23歳が目指すのは、“飛んで曲げないレフティ”。
今季は、QT9位で出るハタチのレフティ、細野勇策(ほその・ゆうさく)がトップ10入り3回と躍進中だが、「自分も日本を代表するレフティになって、いつか細野くんと対決できたらいい」と、夢を描いた。
<SMBCモビットチャレンジ>
株式会社SMBCモビット様のサポートを受け、次年度のツアー出場優先順位を争う「クォリファイングトーナメント(QT)」の前哨戦として、2021年からスタート。
7月5日(予選)、6日(決勝)の2日間で争い、今年のツアートーナメントやABEMAツアーへの出場優先資格を持たない155人が出場。
賞金100万円とQTセカンドステージからの挑戦権を争った。