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ANAオープンゴルフトーナメント 2023

香妻陣一朗が単独トップで奇跡のホールアウト

前日の第2ラウンドの残りと、第3ラウンドが行われたこの日、札幌市内の日没は17時45分。
第3ラウンドが終了したのが17時57分。

13時40分スタートの最終組でラウンドしていた香妻陣一朗(こうづま・じんいちろう)は、「終われると思ってなかった」と、大きく嘆息した。



後半16番に入ったころにはすでに薄闇。
このまま、第3ラウンドを1ホールでも残した場合に予定されていた翌朝の再開時刻は6時半。

それだと、おそらく起床時間は、3時半。
「起きる時間も、疲れの取れ方も、全然違ってくる」。


前日の第2ラウンドは3ホールしか回れなかった香妻は、今朝も残り15ホールをこなしており、すでにへとへと。

「終わりたい」と、そこからは、前組の選手も巻き込み、励まし合いながら、猛ダッシュでプレー。

「体はしんどいし、球にも当たらない」と、17番では右の林から出して、右バンカーに入れた4打目を寄せきれずにボギーを叩いた。

「だいぶ折れそうでしたけど」。


心を奮い立たせて迎えた18番は、グリーン横の巨大な電導スコアボードの光を頼りにしながら10メートルのバーディトライも、1.5メートルのパーパットも「ほぼカンで打った」としのぎきり、奇跡の完走で1打差の単独首位を死守して「とりあえず、終われて本当によかった・・・」。
安堵に包まれた。


5月に生まれてから初めて観戦に来てくれた愛息に癒やされながら、今夜は朝までゆっくり最終日に備えることができる。

2022年の「東建ホームメイトカップ」以来の通算3勝目にむけて、あとはこのまま逃げ切るだけ。
「子どもの前で優勝できたら最高」。
お膳立ては整った。


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