オフの間にスイングの精度を上げるとともに、フィジカル面の強化にも取り組んできた。さらにマネージメント力を磨いたという古川にとって、その成果を証明する数字がある。この日の4つのパー5全てでバーディを獲っている点だ。
「このコースはスコアを崩すならパー5だと思っています。池が絡むので、スコアを伸ばせる可能性はありますが、ボギーやダブルボギーを叩く可能性があるのもここのパー5の特徴で、そこを我慢してしっかりマネージメントできたのは大きいですね」。
2019年にツアープレーヤーに転向して、ルーキーイヤーとなった2020-21年にはツアー選手権で2位に入るなどし、いきなりシードを獲得。ただ、その時は勢いはあったものの、なぜ良い結果が出るのかの実感はなかったと振り返る。言い換えれば、その理由を考える必要がないほど調子が良かったということだろう。しかし、その年の終盤は苦しい試合が続き、徐々に自信も失っていた。さらに翌年は怪我も重なり、コンディションは最悪に近い状態だった。
そこから奮起するために努力し続けた最中で達成することができた昨年のプロ初優勝は古川に大きな自信を植え付けることになる。
「あの優勝は本当に大きかったと思います。勝てたということが自分の中でも自信につながったので、自分の調子だったり、自分のゴルフができれば勝てるんだということがわかりました」。
今シーズンはとにかく試合でいいゴルフをしていい成績を残すことを目標にしている。今週はいきなりの好スタートを切ったが、あまりエンジンがかかりすぎないようにと警戒心も忘れていない。冷静に自分のゴルフと向き合えている古川が自信をさらに深めるための2勝目を狙う。