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東建ホームメイトカップ 2025

芹澤慈眼が「62」急上昇の決勝進出を操るのはあの請負人

名キャディに導かれて、自身初の開幕戦で、自身初のV争いだ。
第2ラウンドでベストスコアの「62」をマーク。自身としても自己ベストを6つも更新する好スコアで、首位と4打差5位タイに浮上したのは、プロ5年目の芹澤慈眼(せりざわ・じげん)


昨年のチャレンジトーナメント(ACNツアー)で賞金ランク13位につけ、初めてレギュラーツアーの開幕戦に臨むにあたり、「“日本一”にお願いしてみよう」とキャディを打診したのは、清水重憲(しみず・しげのり)さん。
谷口徹や上田桃子さんら、名だたる選手を賞金王に押し上げてきた請負人だ。



快諾を得て、いざ迎えた前日初日は探り探りの初タッグ。
1オーバーの「72」にとどまったが、この日は逐一アドバイスを求めて一変だ。

「全部清水さんのいうとおりにしたらこのスコア」と1イーグル、7バーディで、ボギーもなし。
これ以上ないほど完璧なスコアカードを完成させても清水さんには、結果チップインイーグルだった17番でも、右に曲げたセカンドショットで厳しくダメ出しされた。

「怒られました…」と浮かれず反省。
「明日も、ぜんぶ清水さんに任せようと思います」と、信頼も爆上げだ。

地元大分県で、ジュニア期から頭角を現し、熊本県の秀岳館高校では1年時に「九州ジュニア」を制覇。
期待を集めたが、3年時に腰の痛みを発症。東北福祉大に進んだものの、ヘルニアと診断され、4年時には左手首も痛めた。

1学年上には金谷、同学年には米澤ら、同世代が結果を出す中、焦る気持ちもあったが、治療につとめながらチャレンジトーナメント(ACNツアー)で好機を待ち、昨季賞金13位で初のレギュラー出場権を獲得した。

「目標はまず賞金シード。優勝も狙っていきたい」。
いずれかでも実現すれば大分県勢の初快挙。
名前の由来は、その字のとおり“慈悲の心で見る仏の目”だが、こと勝負事では、炯々(けいけい)と挑みたい。