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前澤杯 MAEZAWA CUP 2025

倉本昌弘が一般販売のプロアマ戦を総括。本戦の目標はエージシュート

10日間にも及ぶ異例のプロアマ戦が23日に、無事終了した。

JGTO副会長で、永久シード選手の倉本昌弘(くらもと・まさひろ)は、うち3日間で参加。
「いろんな人と交流できて、非常に楽しかった」と、振り返った。



「100万円は高いんじゃないか、とか最初はいろいろ言われましたけど、実際に来てくださった方はみなさん喜んでくださっている。それが良かった」と、安堵した。

プロアマの参加権を一般販売。さらにプレー希望のプロをオークションで落札でき、その収益が本戦の賞金と、運営費に充てられる本大会。
「今まで誰もやったことがない。まったく違うスキーム(仕組み)で出来上がったのが、この試合です」。

倉本は、プロアマ戦後に改めて開催の経緯と成り立ちを説明した。

大会発足のきっかけは、まず別の試合のプロアマ戦で、実業家で大会発起人の前澤友作さんと親しくなった石川遼(いしかわ・りょう)が、前澤さんに相談を持ちかけその後、改めて倉本も交えて面談。

その際に、従来の形でのトーナメント開催には懐疑的だった、という前澤さんから提案されたのが、今回の方式だった。

「経済を回す、という意味でも、これまでのように、企業からどんとお金を出してもらってやる、というのではなく。不特定多数の方々からお金を出していただく、というやり方。企業の収益に左右されずに続けられるトーナメント作りとは、そういうものではないか」と、いうのが前澤さんの発想だった。

昨年12月の選手会総会には前澤さんにも参加いただき直々に、その構想が明かされた際、選手たちはみな前代未聞の要綱に驚きながらも、新規開催の申し出を感謝し、大会への協力を確約。
開催にこぎつけた。

初回の今年は、今後のプロアマ券の販売方法や、運営法などにも当然、多くの課題は見つかったが、何より参加者のみなさんから感謝や喜びの声が届いていることに、倉本は安堵する。

前日22日の自身のプロアマ券を落札してくださったご家族からは、さっそく翌朝にお礼のメールが届いていて嬉しかった。

きょうは大雨。疲れましたけど(苦笑)頑張りました

また、別の選手のエピソードとして、宋永漢(ソン・ヨンハン)とのラウンド権利を買われたご夫婦は、「10年来のファンですが、こうやって回れる機会がもらえるとは思ってもいなかった」と感激し、全組に帯同するラウンドガールも「ヨンハンとの時間を楽しみたいから」との理由で丁重に断られたと聞き、倉本も幸せな気持ちに包まれたという。

「男子プロって楽しくて気さくなんだよと。プロアマ戦を通して認識してもらえたと思う。選手たちがやりがいを感じ、ファンの方に来てよかったなと思っていただき、テレビを見た方々には男子って面白いねと言ってもらえるような試合をひとつでも増やしていくことがこれからの目標」と倉本。

JGTOの副会長として引き続き尽力しながら、24日から始まる本戦ではツアー通算30勝の永久シード選手として夢を追う。

今大会は、予選カットがないので、2006年の「つるやオープン」で、68歳と311日の故・杉原輝雄氏が更新した最年長予選通過記録はひとまずおあずけ。
今週、目指したいのは13年の「つるやオープン(62ストローク、66歳)」と 17年「本間ツアーワールドカップ(70ストローク、70歳)」での尾崎将司に続く、エージシュート(年齢か、それ以下でラウンドする)の達成だ。

69歳。
「今回はパー70だから、楽しみに来ました。ツアーでは、まだジャンボさんしかいない。1アンダーで回れれば…。天気さえよければチャンスあるかな?」。
ベテランならでは新規開催の盛り上げ方だ。

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