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前澤杯 MAEZAWA CUP 2025

地元出身の大岩龍一が首位発進、痛みをひた隠して渾身プレー

10日間に及ぶプロアマ戦も無事終了し、いよいよ本戦がスタートした。

異例尽くしの新規試合で、プロ7季目の大岩龍一(おおいわ・りゅういち)が、9バーディ、ボギーなしの「61」をマーク。




単独トップの開幕ダッシュに目を剥いたのは誰より本人だった。

背中と首に痛みを訴え、「スタート前までやるか、やらないか…」。
でも、コースまで車で35分で通える千葉県千葉市の緑区出身。

「地元開催ということで、とりあえずコースには出よう」と迷いを断ち切り、ティオフするなり、あれよと4連続バーディ。
「痛みのせいで、思いっきりミスすることもある」と、4ウッドを使った2ホール目の11番は、ティショットが左に大きく飛んで隣の12番ホールへ。

だが、残り100ヤードの木越えの2打目は難なくグリーンを狙えてOKバーディ。
「全然、振れないですけど、ミドルパットはよく入ってくれた。ミスはたくさんしましたけどひたすら我慢で回ってこれた」と、思いがけない首位発進だ。

「きょうで終われたら最高ですが…」。
つい本音もこぼれ出た。



痛みの原因は、3月初めの交通事故だ。

首都高を走行中に追突された。
幸い、大きな外傷はなく、「車も後ろがヘコんだくらい。ちょうど買い替えるつもりだったので」と、事後処理も一件落着したつもりだったが、背中に後遺症を感じたのはその5日後。

「むち打ちみたいな感じ」とその後、3月いっぱいは、ほぼ練習もできないまま。

「あれから2か月くらい経つんですけど、長引いています」と、現在は痛みが首回りにも飛び火し、ツアー開幕後も治療を続けながらのプレーが続く。

本戦前に、10日間をかけて行われた本大会のプロアマ戦は3日間出場。

うち1組は、コースのある睦沢町(むつざわまち)の方が地元出身の大岩を応援しようと指名してくださったそうで、「ありがたかった。(事故のことは)話さないよう頑張りました」と、痛みをひた隠してプロアマ戦でも渾身プレー。

地元で生まれた嬉しい新規大会だ。
「普段のトーナメントにはない雰囲気を楽しんでいます」と痛いなりに満喫し、その分、練習は極力、控えるなどやりくりしながら好発進した。

「せっかくスコアはいいので、なんとかプレーを続けて、このまま伸ばせていけたら」。
悲願の初Vにむけて切実に語った。


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