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i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘 2025

惜敗の櫛山勝弘「本戦で決めたかった・・・」

流れは確実に自分に傾きかけていた。

首位とは1打差の8アンダー3位で最終日を迎えた櫛山勝弘。最終組から逆転優勝を狙ったファイナルラウンドは、前半こそ1バーディで1つスコアを伸ばしただけにとどまったものの優勝争いの緊張感と、時折強く吹く風の中でのコンディションを考えれば、ノーボギーは上々と捉えるべきだろう。

そんな櫛山の我慢が徐々に流れを呼び込み始める。後半の10番でこの日初めてのボギーを叩くが14番ホールで取り返しトップに並ぶ。さらには16番ホールで同組の山本大雅がバーディで1歩抜け出すと、直後の17番では3mほどのバーディパットを決め返して、山本と並んで最終ホールをむかえる。

 

「他の組のスコアはわかっていなかったんですが、同組の山本くんが1つ先にいってることはわかっているので、17番で決められたのはよかったかなと思います」。

 

本人が振り返るように流れが来ていただけにこの最終ホールで決めたかった。それが力みとなったのかもしれない。ティショットは右に出してしまい、急斜面の下に。セカンドショットも思うように距離を出すことができずサードショットはグリーン奥ギリギリに乗せただけ。山本は悪くてもパーの可能性が高い状況だっただけに、20メートル以上ありそうなロングパットをなんとしてでも2パットでいく必要があった。しかし、ファーストパットは大きく外れて、微妙な距離のパーパットを残してしまう。

山本優勝という雰囲気的が18番グリーンに漂ったが、櫛山はこの土壇場で難しいパーパットを沈め、傾いていた流れを逃さなかった。プレーオフは櫛山有利かと思われた。

 

結果的にプレーオフでセカンドショトをミスして惜敗した櫛山。ホールアウト後は口数少なめに「悔しいですね」と必死に言葉を振り絞ってくれた。

優勝はならなかったが、大きな一歩を踏み出したことは間違いない。基礎練をひたすら積み重ねてきた櫛山に次こそは脚光が当たるはずだ。


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