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中日クラウンズ 2025

強風もどこ吹く風。長野泰雅は「全部ピンチ」も68

特に後半から強い風に吹かれたはずだが、初日を「68」でまとめた長野泰雅(ながの・たいが)は、「自分ら風には当たってない」と、どこ吹く風。
難条件を感じないほど好調だったのか、といえば実はそうでもない。




「最大のピンチはどこ? いや…全部ピンチでしたよまぢで」と、苦笑したとおりに3~4メートルのきわどいパーパットをしのぎ続けて4バーディ、2ボギー。
前半最後の9番では、「上から激スラ(凄いスライスライン)4メートル」も拾えた。

昨年まで2年連続2度の出場で、どちらも危なげなく予選通過を果たしており、「和合は得意」と、自負する。
でも、「いつも3日目に叩いちゃう。得意って言っているけど成績は出ていない」と今年こそ結果を求めて1Wを封印し、スプーンやユーティリティでマネジメントに徹しているが、「刻んで曲げてる…」と、初日はあまりうまくいかなかった。

その分、開幕前日に、メーカー所属の橋本コーチにアドバイスを受けたというパットが好調。
「まっすぐまっすぐ打とうとするんじゃなくて。3分の2のところに目印をつけて、そこを通すといいんじゃないか、と。凄いイメージがよくなった」と、1差3位の好発進に感謝した。

地元福岡県の沖学園高校3年時にプロ転向し、初年度の22年に初シード入りを果たして3季目。
初優勝を狙う21歳にとって、65回目を迎えた伝統試合の記憶は、なんといっても2010年の石川遼の「58」のギネス記録だ。

「凄いな、って。いや、出せない。自分が出せる気はしない、けど…」。
石川が和合を制したのは18歳だった。
「自分も遼さんみたいにここで勝ちたい」。
経験が問われる和合を若さで封じる。

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