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中日クラウンズ 2025

中断前に暫定5位浮上。宮里優作「和合に自分を染めていく」ベテランなりの攻略法

2日目は、雨と風の和合で、歴代覇者の44歳が粘りを見せた。
宮里優作(みやざと・ゆうさく)が、12時52分の中断直前に5バーディ、3ボギーの「68」でフィニッシュ。
通算2アンダーで、決勝進出を確実にした。


「今朝は風と雨が両方あったので。苦しい1日になるんじゃないか」。
スタートの10番こそバーディを先行させたが、予感どおりに12、13番と16番でボギー。
一時2オーバーまで落ちた。

「でも、ダブルボギーにはいかないように。ボギーでつないでつないで」と、しぶとく持ちこたえて、雨脚が弱まった後半アウトの4バーディで、しっかり挽回。
中断時点の暫定5位で、週末へ望みをつないだ。

大混戦を制して全身で歓喜を表現したのは、出身の沖縄からここ名古屋に移り住んで4年目の2017年。
あのときの歓喜を忘れるはずはないが、「優勝が消えるくらい予選落ちしていますから。得意じゃないの」と、苦笑い。

「苦しい思い出しかない」という名門和合は、住んで13年目になる今でも敷居が高くて高くて、「回れるのも年にこの1度だけ」。
5年連続23回の出場を重ねても、手ごわさは相変わらず、「難しいコンディションの中でこういうスコアで上れて嬉しい」と、何度やっても達成感がある。

昨季はオフに左ひざの半月板を断裂し、開幕も出遅れたが、今季はしっかり序盤からV争いに加わった。

大阪の桐蔭高校出身という縁もあり、もともとは阪神ファンだが移住を機に「ドラゴンズを応援してます」。
阪神から3連勝を奪った前夜も、「なんか佐藤選手に打たれちゃったけど勝ちました」などと“竜党”もすっかり板についてきた。

もともと乱視もあり、0.3まで下がった視力を補い昨年から黄色いボールでラウンドするが、「今年はいよいよ見えなくなってた」と、人生初の眼鏡プレー。
「おかげで暗くなった時でもラインがよく見えました」と、曇天模様も視界は良好。

予選ラウンドは、地元期待の22歳、金子駆大(かねこ・こうた)と、スーパーアマ松山茉生(まつやま・まお)さんとラウンドした。
「いやー、もう凄い。このまま世界を目指していってほしい」と、若手を応援しながら、「ここではあまり自分を出しすぎると痛い目に合う。和合に上手く自分を染めていく。謙虚にいきたいと思います」。

ベテランはベテランの攻略法がある。





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