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i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘 2025

プレーオフを制した山本大雅がツアー2戦目でプロ初タイトルを手にする!

ACNツアー今季2戦目となる『i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘』のファイナルラウンドが福岡県那珂川市の筑紫ヶ丘ゴルフクラブを舞台に行われた。

ビッグスコアが出るコースなだけに大混戦が予想されたが、気まぐれな風が試合展開をさらに混沌とさせた。

誰が勝つかわからない混戦模様が最後まで続き、結果的に3日間通算10アンダーで山本大雅と櫛山勝弘の2人が並び、勝負の行方はプレーオフへと持ち越された。

18番パー5で行われたプレーオフ1ホール目。互いにティショットはフェアウェイをキープし、挑んだセカンドショットで明暗が分かれる。櫛山は痛恨のミスショットで右サイドのバンカー。しかもグリーンまではかなり距離を残すことになる。

一方の山本はグリーンをキャッチ。イーグルパットを残した。

 

セカンドショットの大ミスが精神的ダメージを与えたことは間違いなかった。櫛山はなんとか3オンさせるがバーディパットは大きく外れてしまう。山本が確実に2パットのバーディを決めてプレーオフは決着した。

 

山本はこれがACNツアー2戦目。2001年生まれの24歳で2022年にツアープレーヤーに転向している。東北福祉大出身で同級生に蟬川泰果や鈴木晃祐らがいる。これまでQTを含めて予選会などでもわずか1打足りずなどの試合が続き、レギュラーツアー、ACNツアーを含め出場経験はゼロ。昨年のQTランキング122位の資格で今シーズンは限られた出場機会の中でチャンスを探る状況だったが、一気に流れが好転した。

山本は今回の優勝で中日クラウンズとSansan KBCオーガスタゴルフトーナメントの2試合への出場資格を獲得。レギュラーツアーでの抱負を聞かれると「一筋縄ではいかないことは十分わかっているので、優勝を狙うということではなく自分のゴルフがどれくらい通用するのかを確かめられるのが楽しみです」と満面の笑みで答える姿が印象的だった。

 

山本が大事にしていることはゴルフを楽しむことだ。もちろんプロである以上、勝つことにこだわる部分は持っているが、楽しめなければ自分らしいいいゴルフができないと考えている。

最終日も楽しみたいと話していた山本だが、流石に「勝ちたい」気持ちが心を無意識に支配していたのだろう、スタート時は緊張からか顔の表情も体の動きも硬かった。ターニングポイントになったのは8番パー4のバーディ。6番、7番と連続ボギーが続き「全然ゴルフが楽しめていない」と気持ちを切り替えたそう。

「あそこのバーディは大きかったと思います。後半の11番、12番のバーディにもつながりましたし、自分なりに楽しむことができました」

プレーオフは楽しめたかと聞くと「最高に楽しめました」とこれまた満面の笑み。



優勝スピーチではとにかく感謝の気持ちを忘れることなくプレーしたいと話していた山本だが、そんな彼のプレーには人を笑顔にさせる力があるように思う。そう感じるのは山本自身が心からゴルフを楽しんでいるからなのかもしれない。

次なる目標は今シーズンのACNツアーの2勝目。「楽しむスタイル」で、早々にやり遂げてしまいそうな勢いを感じる。