「他の組のスコアはわかっていなかったんですが、同組の山本くんが1つ先にいってることはわかっているので、17番で決められたのはよかったかなと思います」。
本人が振り返るように流れが来ていただけにこの最終ホールで決めたかった。それが力みとなったのかもしれない。ティショットは右に出してしまい、急斜面の下に。セカンドショットも思うように距離を出すことができずサードショットはグリーン奥ギリギリに乗せただけ。山本は悪くてもパーの可能性が高い状況だっただけに、20メートル以上ありそうなロングパットをなんとしてでも2パットでいく必要があった。しかし、ファーストパットは大きく外れて、微妙な距離のパーパットを残してしまう。
山本優勝という雰囲気的が18番グリーンに漂ったが、櫛山はこの土壇場で難しいパーパットを沈め、傾いていた流れを逃さなかった。プレーオフは櫛山有利かと思われた。
結果的にプレーオフでセカンドショトをミスして惜敗した櫛山。ホールアウト後は口数少なめに「悔しいですね」と必死に言葉を振り絞ってくれた。
優勝はならなかったが、大きな一歩を踏み出したことは間違いない。基礎練をひたすら積み重ねてきた櫛山に次こそは脚光が当たるはずだ。