その直前に、桂川有人(かつらがわ・ゆうと)は、生涯2つめの兜(かぶと)を携え地元に凱旋してきた。
先週の欧州共催「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント」で、コロナ禍によりやむなく単一開催となった一昨年に続く大会2勝目を飾った。
優勝杯は、所属のISPS(一般社団法人国際スポーツ振興協会)のこだわりが詰まった兜型だ。
「うち五月人形とかなかったので…。2つ目も実家に飾ります」。
家族にとっても、何よりの記念になったのは間違いないが、「優勝カップはまだ兜だけ。できれば兜以外もいただけたら最高ですね」。
それがあこがれのクラウン杯なら最高だ。
「そうですね。2週連続というのは人生で、なかなかできない経験なので。なしとげてみたい」と、自然と燃える。
米二部ツアーからいったん撤退してきた今季、「まずは日本で」と、いちから出直すつもりが開幕2戦目にして、欧州ツアーの出場資格を取ってしまった。
V後も、ホストプロとして月曜日のアフタープロアマや、昨日はドラコンイベントにも参加。そしてきょうは、開幕前のプロアマ戦と、「まだ考える暇がなくて…」と、苦笑。
めくるめく展開に、まだ頭が追い付かないが「選択肢が多いので。何を選ぶかで、今後のいい悪いもはっきりしてくると思うので。マネージャーさんともよく話し合って。きょうくらいから、ちょっと考え始めると思います」。
戦国時代に歴史的会議が行われたことでも有名な、清須市出身。
何事も、熟考と懸命な判断が肝要だ。
地元開催は、大型連休と日程も重なり、先週初めて優勝シーンを見てくれたお母さんや、最初にゴルフの手ほどきをしてくれたおじいさんほか、友人知人もたくさん、応援に駆け付けてくれる予定だ。
「優勝のあとだと期待もされていると思うのでそれにこたえられるように。自分が頑張ることで、子どもたちの夢やあこがれになってくれたらいいな、という思いもある」。
最終日が子どもの日と重なる今週は、堂々と王冠=クラウンをかぶる。
お化け屋敷でも頑張りましたね