前後半とも、もっとも観客が集まる最終ホールで沸かせた。
18番では1Wのティショットを残り122ヤードまで飛ばし、ウェッジで作った右6メートルのチャンスを沈めた。
113ヤードの2打目を左3メートルに乗せた9番は「読み切るのがかなり難しい」というバーディパットを、ジャストタッチでカップイン。
合わせてこの日5つのバーディを獲ったが、「ナイスパーがバーディ並みに多かった笑」と、きわどいプレーで観客のドキドキ・ハラハラをますます演出。
「例年の和合のイメージなら、あそこまではいかない。かなり速いほうかな」と、本人もヒヤリとしたのは長いバーディトライを打った序盤の11番だ。
前日の雨から一転、からっと晴れた初日にグリーンも一気に硬度と速度を加速し、上って下るラインを3メートルもオーバーさせたが、返しを辛くも沈めて流れを作った。
第1打を左の林のほうに打った15番の長いパー5(591ヤード)は、第3打で180ヤードも残ったが、7アイアンでグリーンを捉えて無難に2パットのパーセーブに成功。
ひっかけて、バンカーあごにつけた16番や、パーオンを逃して2メートルを残した17番パー3でも、しぶとくしのいでリズムを途切らせなかった。
2日目に6バーディ取りながら、結局イーブンパー(通算は3オーバー)で予選敗退した先週の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント」で、「バーディを獲るだけではいいスコアにならない」と、改めて肝に銘じて来た。
「自分の中で蓄積してきて、ここが悪くなったから、こうなったんじゃないかな、という先週の反省がかなり絞れていた。それを追求してやってきて、思った方向には修正できている」と、ショットの課題にも改善が認められ、「自分でやりたいことが最後までできたし、逆にやりたくないな、ということもきょうはやらずに済んだ」と、攻守ともにしっかりと抑止が効いている。
午前終了時点で暫定トップの幕開けに、まだ明けたばかりの初日から、大観衆は大喜びだ。
「…嬉しいですね」。
沸きに沸いた満員の最終ホールに、主役の目じりも思わず下がる。
「ほんと数を重ねるごとに、認知度が上がっていると思いますし、64回続けるには64年かかるわけで、それってなにものにも代えがたい価値。感謝しかない」と伝統の一戦に、頭を下げた石川もまた、2010年の最終日に当時ギネス記録の「58」で和合を制し、一昨年は3Rの7番に続いて昨年も再び3Rの4番で、史上3人目となる同一大会2年連続のホールインワンを達成するなど、多大に貢献してきた一人だ。
「きょうって、平日ですよね?」とカレンダーを確認しなおし、「明日からが祝日ですね」と、気合を入れなおす。
「この大会はいつも、ナンバーワンを争うくらいのギャラリー数だと思いますけど、男子ゴルフがもっと盛り上がればもっとたくさんの方々に来ていただける」。
その中心で、今年もまたどんなドラマを演出しようか。
<中継スケジュール>
◆5月2日
8:00~12:30 LOCIPO【インターネット放送】/練場中継
8:30~13:30 CS放送【ゴルフネットワーク】1番H生中継
13:55~16:50 CBCテレビ
13:55~16:50 LOCIPO【インターネット放送】