“エステート”か“スポーツ”か“クロスオーバー”か、スタンダードか。該当者には、どれでも好きなタイプのトヨタ・クラウンが選べる17番パー3で、片岡尚之(かたおか・なおゆき)はティショットがホールインワン寸前。
「7番アイアンで、手ごたえも完璧。入ったと思いましたがほんの少し届かなかった」。
残念がったが、この日は1日通してショットが好調。
「安定してプレーができたと思います」と、5バーディ、1ボギーの「68」。
通算6アンダーの5位タイ浮上はうれしいが、グリーン上では一番まともに打ってるはずの自分が、一番入っていない。
いろいろ事情があって、同伴の池村寛世(いけむら・ともよ)が52度のウェッジでパットを始めたのは前半の13番から。
さらにノリスが後半3番からグリーン上でドライバーを使い、もともとの長尺パターの打ち方を始めたから、なんともはや…。
「同組の人たちに笑わせてもらってリラックスしてできました」と、難コースでよい具合に力が抜けたが、池村がウェッジで10メートルのバーディパットを決め、ノリスがドライバーで7メートルを沈めた7番ではさすがにピリッとした空気に。
「僕は2.5メートルくらい。パターも使ってない2人がポコポコ入るのに、唯一パターで外したら、恥ずかしいじゃないですか。すごく緊張して…」。
この日、一番安堵した“ピンチ”だった。
「これが絶対入れないと、と。なんとか入ってくれて、今日はそれが一番ほっとしました」と、胸をなでおろした。
いろんな意味で波乱万丈な予選ラウンドを乗り越え、首位と4差で決勝へ。
ちなみに、片岡もグリーン上でウェッジの歯を使って打つのは遊びの延長でやったことはあるそうだが、「それを試合でやるというのはまた違うこと。本当にすごいな」。
ある意味、2人の“ミラクルパター”に引っ張られたV争いでもある。
連休の週末は、2日間とも快晴の予報だ。
天気に恵まれるのはよいが、それは同時にグリーンも速く、硬く、難度も増すということだ。
「日々やりたいスイングやパッティングもある。それを変えずに1打1打に集中し、自分のゴルフをやり切り、結果がついてきてくれれば」。
21年の選手会主催大会「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」に続くツアー通算2勝目を伝統の和合で狙える。