首位と5打差の7位から出たこの日は上位陣がイーグル⇒ダボなど、かなりにぎやか。
でも「人につられてミスするのはもったいない」と、我が道を行く4バーディと1ボギー。
穏やかなゴルフでムービングデーを進行した。
「和合は下りの1メートルより、のぼりの3メートルを打てるほうがチャンスある。下りを打ち続けるのはストレスがかかる。焦らず、とにかくのぼりのラインにつけると意識した」。
鉄壁のマネジメントでジワリ、2打差の3位タイまで上がってきた。
昨季は2位2回。
11月の「カシオワールドオープン」は1差と、惜しくも初Vには届かなかったが最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」にも初出場し、賞金ランク22位で、岩手県人として初のシード入りで地元を沸かせた。
昇格と同時に、東京や千葉、もしくは大阪や兵庫と、主要空港近くに拠点を移す選手も多いが、「見ず知らずの土地で過ごすとエナジーが下がってく。携帯が、充電切れみたいになる感じ」と米澤は今も頑として、故郷を拠点に。
たまの帰郷で練習中も、声をかけずにそっと見守る東北の温かな人々。
癒されて、また旅に出る。
岩手・花巻市の自宅から、空港まではわずか5分。
「狭いニッポン、2、3時間でどこでも行ける。これで移動が大変だったら、世界行ったらどうなるんです?」。
雪国はハンディと言われるが、「雪が降ったら雪かきして、練習して、それでも降ったら海外行って」。
ここ数年は、オーストラリアで単身の“ぼっち合宿”を重ねてから3月の開幕戦へが、毎オフのルーティン。
ビザの取得など、煩雑な手続き以外は、すべて一人でやりくりする。
「一人で大変じゃん?」と言われたら、「一人だからいいんだよ」と答える。
「誰かに頼って人のせいにするのが嫌ですし、自分で学習しなくなっちゃう」。
心の成長を期して自己責任をあえて課す。
「使わないと忘れちゃう」と、今週は豪州人キャディのジェフさんとコンビを組み、アマ時のナショナルチーム時からお世話になるジョーンズコーチとの会話ももちろん、英語で。
「知らない単語が出てきたら、すぐ調べて」。
コース外でも日々勉強の虫が、和合にマケズ、ツアー初Vの大チャンス。
勝てば岩手県人として、初のツアー覇者誕生だ。
最終日最終組は自身初。
「経験するうちに、週末のゴルフの内容だったり、考え方だったりがどんどん成長していく中で、優勝ってくるもの。今日の内容は良かったですし、自分にも期待しています」。
岩手めんこいテレビのサポートを受け、岩手日報に応援サイトを持つ。
幼少期から知るご近所さんたちにとって、孫みたいという存在の快挙ならば故郷はどれだけ沸くか。