片岡尚之（かたおか・なおゆき）は、また敗れた。
大学後輩の米澤蓮（よねざわ・れん）に競り負けた。
3年ぶりのツアー通算2勝目を逃した。

1差の2位から出て、2番で早々に追いつくと、そこからもつれにもつれて米澤と一騎打ちになった。

一時は2差を許したが10、11番の連続バーディで、食い下がった。

12番で再び並ぶと　14番で約4メートルを沈めて、この日初の単独首位を奪った。

「途中までは、いいプレーができていたゆえに、すごい悔しい」と、目が赤くなる。

もっとも悔やまれるのは16番だ。

フェアウェイからボギーを叩いた。
133ヤードの2打目はフォロー風を計算に入れ、際に立つピンに対してギリギリ届くか、届かないかのウェッジを持ったが、「迷いながら打ってしまった」と、左の、ピンに近いほうのラフに外した。
そこから、ものすごくうまく寄せたが、パーセーブに失敗。
ボギーで、再び米澤の並走を許した。

通算12アンダーで並んで入った18番は、ドローヒッターの片岡にとっては「左風に対して右にはOB。初日から打ちづらくて」と、そもそも苦慮していたホールだ。

警戒し、しっかりと振り切ったつもりが「思いのほか風に流された」と、右の林のほうに行き、垂れ下がる枝の下で這うように脱出経路を探して慎重に打ったが、2打でグリーンに届かず深いバンカーに入った。

そこからの寄せもまた絶妙だったが、米澤に先にバーディを奪われた。

悲願の2勝目を土壇場の1差で手放し「蓮（レン）がすごいうまかった。僕の実力が足りなかった」とまぶたを腫らして後輩をたたえた。

2021年の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」でツアー初優勝を飾ってから、この3年で今大会を含めて2位が6回。

もっというなら今年は開幕前にも2位に終わった2日間の地区競技や、1日大会ではプレーオフ敗退も味わってきたそうだ。

シルバーメダルが増えていく。
悔しい…。

「技術もですけど、接戦でもつれる中で、いつもどおりのゴルフができるように。自信をつけていかないといけません」。
返上への思いが募る。

• 片岡 尚之