プロアマ形式戦で、コロネットコースをラウンドしたこの日はスタートから11ホールで5バーディを奪うと、距離の短い13番のパー4ではワンオンイーグル。
2メートルに乗せたチャンスを沈めるなど絶好調だったが、残り5ホールでパタリと勢いが止んだのは、うち3ホールでバンカーに入れたから。
この日、唯一ボギーとなった14番でも寄せきれず、「それが心残り」と嘆いたが、「伸ばし合いの中で最低限はできた」と日本勢では最上位の好発進だ。
22年にJGTO賞金王に就いたあと、日本ツアーをかけ持ちながら、アメリカ、欧州、アジアと積極的に戦いを続けて昨季は香港オープンで3位に入るなど、アジアンツアーの賞金ランキングは32位に。
日本ツアーも同24位につけて、両ツアーで賞金シードを確保した。
今年に入っても、正月にちょこっと沖縄に帰省したくらいでオフらしいオフも作らず、1月にはフィリピンで8位、翌週のインドで5位など駆け回り、「試合勘がなくならないうちに、試合が出来ているのでそのへんいいリズムが出来ている」と、今週も好発進につながっている。
日本でも海外でも、ラウンド前の汗だくのウォーミングアップは相変わらずだが、「自分により必要なものがわかってきた」と最近、股関節に特化したメニューを取り入れたことも、スタートダッシュに生かされている。
JGTOに20人の出場枠が用意されている本大会だが、比嘉はアジアンツアー枠で出場することになったのは、色々な事情が重なりJGTO枠でのエントリーができなかったからだそうだ。
出場自体をあきらめかけていた時に、アジアンツアーから声をかけてもらったといい、Wシードのうまみを生かした好発進にはがぜんやる気も沸いてくる。
「やっぱり勝ちたい。しばらく勝てていないので。自分の中では少しずつ優勝争いに加わることもできて、もう少しで優勝できる場面も続いているので。チャンスのあるうちにひとつものにしたい」。
昨季終盤は、両ツアーの賞金シードを得るために、アジアと日本で17連戦をこなした小さな巨人が、ニュージーランドで22年以来の通算7勝目を獲りに行く。

そのほか、7アンダーの3位タイにつけた韓国の
高君宅(コ・グンテク)も、JGTOメンバーでありながら、本大会はアジアンツアー枠で出場する選手のひとり。
昨年覇者の
幡地隆寛(はたぢ・たかひろ)は2アンダーの61位タイ。
また大会初出場で、今季初戦を戦う
石川遼は、初日1アンダーの79位と出遅れたものの、パーオン率は100%を記録するなど、「ショットの状態はほぼ100点。自分としては満足度は高い。あと結果につながらないのはロングパットのタッチやアドレスのところ」などと、1日5回の3パットを反省し、「そこのミスを減らしていくところの準備の仕方だったり、練習の集中の仕方が課題」と、2日目以降を見据えた。