前夜の雷を伴う激しい雨で、カチカチのグリーンが和らいだ今朝は絶好の伸ばし時。
「昨日までだとどうしてもキャリーさせないように。なるべく手前に落として、という組み立てでしたけど、今日はピンをデッドに攻めてチャンスを増やせた」と、252ヤードからハイブリッドで7メートルに乗せた前半の12番パー5のイーグルを契機に上昇。
プロ5季目の開幕戦で、再びツアー初優勝のチャンスを作った。
一昨年のチャレンジトーナメントで賞金王に就くと、シード元年の昨季は、アジアンツアーをかけ持ちながら、レギュラーツアーは賞金28位につけて“W初賞金シード”入りを果たした。
「海外での試合経験は、日本だけでやるより成長の度合いが違う」と、今年も年明けからフィリピン⇒インド⇒NZ⇒マカオと旅をしながら、キャリアアップに余念がない。
2シーズン目の転戦で「アプローチの引き出しが増えた」と技術の向上はもちろん、各国にできた邦人ファンの応援やサポートも、旅の味方に力をつけて、自身2年連続2度目の開幕戦に乗り込んできた。
週末ににらむのは、2打差の2位で敗れた去年の雪辱戦だ。
昨年覇者で、賞金王の金谷拓実(かなや・たくみ)は同学年だが、「雲の上の人でした」と、アマ期はただ仰ぎ見るだけの存在だった。
「今年はいないので。チャンスかな」。
キング不在の好機を逃さない。
金谷が昨年の最終予選会を突破して参戦を始めたことで、生源寺もPGAツアーへの思いがいっそう強くなった。
シーズンを通して日本の賞金上位で戦えば、金谷のようにより上のステージから予選会にも挑戦できるが、「それを待っていてタイミングを逃すのは嫌。行けるときに行きたい」と、すでに心の準備は整っている。
「早く彼に追いつけるように」。
金谷に続く開幕ダッシュで、夢にも大きく前進だ。