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東建ホームメイトカップ 2025

生源寺龍憲が狙う  金谷に続く開幕ダッシュ「いないので、チャンスかな」

今年、クラブハウス前の会場広場に誕生した「YATAI(屋台)フェス」は、出場選手たちにも大人気だ。

第2ラウンドで7アンダーの「64」をマーク。通算12アンダーで浮上したリーダーの生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり)も、好プレーを終えると即、練習前の腹ごなしに向かった。

主菜のチーズステーキサンドに、付け合わせは、ロングポテトと大学イモをオーダー。

「僕、イモが大好きなんです」と、好物で燃料チャージ。
「このまま最後まで行けたら」と、2年連続のV争いに意気込んだ。



    前夜の雷を伴う激しい雨で、カチカチのグリーンが和らいだ今朝は絶好の伸ばし時。

    「昨日までだとどうしてもキャリーさせないように。なるべく手前に落として、という組み立てでしたけど、今日はピンをデッドに攻めてチャンスを増やせた」と、252ヤードからハイブリッドで7メートルに乗せた前半の12番パー5のイーグルを契機に上昇。

    プロ5季目の開幕戦で、再びツアー初優勝のチャンスを作った。

    一昨年のチャレンジトーナメントで賞金王に就くと、シード元年の昨季は、アジアンツアーをかけ持ちながら、レギュラーツアーは賞金28位につけて“W初賞金シード”入りを果たした。

    「海外での試合経験は、日本だけでやるより成長の度合いが違う」と、今年も年明けからフィリピン⇒インド⇒NZ⇒マカオと旅をしながら、キャリアアップに余念がない。

    2シーズン目の転戦で「アプローチの引き出しが増えた」と技術の向上はもちろん、各国にできた邦人ファンの応援やサポートも、旅の味方に力をつけて、自身2年連続2度目の開幕戦に乗り込んできた。

    週末ににらむのは、2打差の2位で敗れた去年の雪辱戦だ。

    昨年覇者で、賞金王の金谷拓実(かなや・たくみ)は同学年だが、「雲の上の人でした」と、アマ期はただ仰ぎ見るだけの存在だった。

    「今年はいないので。チャンスかな」。
    キング不在の好機を逃さない。


    金谷が昨年の最終予選会を突破して参戦を始めたことで、生源寺もPGAツアーへの思いがいっそう強くなった。

    シーズンを通して日本の賞金上位で戦えば、金谷のようにより上のステージから予選会にも挑戦できるが、「それを待っていてタイミングを逃すのは嫌。行けるときに行きたい」と、すでに心の準備は整っている。

    「早く彼に追いつけるように」。
    金谷に続く開幕ダッシュで、夢にも大きく前進だ。


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