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東建ホームメイトカップ 2025

開幕戦で初V「まじめで努力の人」生源寺の夢の叶え方

プロ5季目の生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり)が2025年の開幕戦を制した。
最終日を戦わずに初優勝をつかんだ。
待機中のクラブハウスで中止の一報を聞いた。

そのため、明神キャディや、今林トレーナーとのハグではまだどこか現実味が持てなかったが、仲間たちに外に連れ出されて雨中の水シャワー。びしょ濡れのシャツの裾をつまんで、「やっと実感持てました」と、喜んだ。




短期決着とはなったが、54ホールの内容は1イーグル、17バーディに加えて、3日間でボギーは2個だけ。

とりわけ、ボギーなしの「66」で回った3日目に、バンカーから難なくパーを拾った9番を勝因のひとつに挙げ、「今年のオフ、8番アイアンを使ってバンカー練習したんです。サンドウェッジと違ってかなり開かないと上げられない。極端にやらないと打てない。クラブの構えや使い方が身についた」と、セーブ率は100%で今週1位に。


得意のショットもますます切れ、一昨年からタッグを組む明神キャディも「去年までとは、全然ゴルフが違う。格段に上手くなっている。相当、やってきたんだ、と」。今オフの成果に目を見張る。

「意気込みも昨年までとは全然違って、今年は開幕から戦闘モードでした」と明神さん。

昨年大会で、同学年の金谷に2打差で敗れて2位に。

生源寺は「自分も、早く優勝したいという気持ちがあった。同世代の選手が上に行っている姿を見て早く追いつきたいな、とずっと思って、それが原動力でもありました」と回顧し、去年も勝てない試合もたくさんありましたし、自分が取り組んでいることの答え合わせを早くしたかった」。

強い決意でみごとに1年前の雪辱を晴らした。



身長162センチと小柄だが、「その分、小回りが利き、スピードが出せる」と評するのは、チャレンジトーナメント(ACNツアー)の賞金王についた23年から生源寺を看る今林トレーナー。
「身体の使い方が上手で、一度教えた動作はすぐ憶えるし、何よりまじめで努力の人」と、舌をまく。

    本人は、歴代賞金王の今平周吾(いまひら・しゅうご、18、19年)や比嘉一貴(ひが・かずき、22年)の名前を挙げ、「そんなに大きくなくても活躍されている姿を見て来た。自分もそうなりたいですし、大きな選手にも飛距離で負けたくない」と、2年前は50キロが限界だったベンチプレスも、今では80キロ超を持ち上げられるように。

    「頭を使って差を埋める」と、小さくても創意工夫で補い立ち向かう。

    明神キャディや今林コーチに「PGAツアーでやってみたい」と、口にし始めたのは昨年の後半戦あたりからだそうだ。
    日本ツアーのシード選手なら、誰でも出られる1次からでも、と決意を語っていたそうだが、開幕ダッシュで夢にも弾みがつく。

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